PTA会費を学校徴収金と一緒に学校に集めてもらったらダメ?

Q:任意加入の徹底、PTAの独立性、会員の個人情報保護、教職員の職務(校務)専念義務の点から問題あり

  1. 学校から強制的に徴収される学校徴収金にPTA会費を混在させることは、強制加入と一体となって行われている場合、結社の自由を侵害する行為である。
  2. 学校とPTAの会計の混同につながり、(国公立学校の場合)PTAの社会教育関係団体としての行政からの独立を危うくする行為である。
  3. PTA会費の徴収にはPTA会員の個人情報が必要だが、各PTA会員の同意を得て学校にPTA会員名簿を提供しない限り、個人情報保護法上の問題がある。
  4. 地方自治法上原則として学校は「法律」か「政令」で特別の定めがないと私費を保管することができない。多くの自治体では「学校徴収金管理規則」等の名称で規定を設け、学校関係団体(PTA等)の会費徴収を校務として可能としているが、これらは「法律」でも「政令」でもないため、現状の学校徴収金はあくまで学校が実費を取りまとめて支払いを代行する「私費会計」として地方自治法に違反する運用がなされている。法律上の根拠がある「給食費」は私費会計から公会計化への流れが進んでおり、中央教育審議会資料(62頁)ではそれ以外の学校徴収金についても公会計化が望ましいとされている。
  5. PTAとの連絡調整等は校務(渉外)として認められる(文部科学省資料)が、PTA会計等(引落・口座管理・集計・督促・予算決算等)のPTA事務を学校職員・教職員が勤務時間中に担当することは、法律又は条令で明確な規定がない限り地方公務員法上の職務専念義務に違反する行為である。

→PTA会計は学校と完全に分離し、PTAが独自に集金する必要がある。

▽根拠

日本国憲法

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

社会教育法

第十条(社会教育関係団体の定義)

この法律で「社会教育関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。

個人情報保護法

第二十七条(第三者提供の制限)

個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。

地方自治法

第二百三十五条の四(現金及び有価証券の保管) 

2 債権の担保として徴するもののほか、普通地方公共団体の所有に属しない現金又は有価証券は、法律又は政令の規定によるのでなければ、これを保管することができない。

東京都立学校の管理運営に関する規則

第十二条の十(学校徴収金に関する事務処理)

校長は、保護者若しくは生徒(以下「保護者等」という。)又は学校職員及び保護者若しくは卒業生で構成する団体(以下「学校関係団体」という。)からの委任に基づき、次に掲げる経費等(以下「学校徴収金」という。)の収納、管理及び支出に関する事務を処理するものとする。

一 積立金、生徒会費等学習指導要領に定められた学校教育活動を行うために保護者等が負担する経費

二 学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第十一条第二項、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律(昭和三十一年法律第百五十七号)第五条第二項又は特別支援学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律(昭和三十二年法律第百十八号)第五条第二項の規定に基づき保護者等が負担する経費

三 学校関係団体の会費

四 前三号に掲げるもののほか、校長が特に指定する経費

2 校長及び第七条第二項の規定に基づき学校徴収金に関する事務を分掌する職員は、委員会が別に定めるところにより、当該事務を適正に処理しなければならない。

学校徴収金事務取扱規程(東京都)

第2条 4 学校関係団体からの委任に基づき処理する会計の計画は、当該団体の議決又は認定を得たものでなければならない。

地方公務員法

第三十五条(職務に専念する義務)

職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

学校教育法施行規則

第四十三条 小学校においては、調和のとれた学校運営が行われるためにふさわしい校務分掌の仕組みを整えるものとする。

教育公務員特例法 

第十七条(兼職及び他の事業等の従事)

教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条第一項に規定する県費負担教職員(以下「県費負担教職員」という。)については、市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。