A:免責同意書をとっていれば安全配慮義務がなくなるわけではない。
- イベント主催者は民法上・刑法上一定の安全配慮義務を負う。
- 会場で盗難があったとしても主催者の責任ではないが、もし犯罪が起こりやすい状況を放置していた場合は主催者も一定の責任を問われる可能性がある。
- 「貴重品を盗まれても主催者は責任をとらない」と会場で明示することは可能だが、主催者が完全に安全配慮義務を免除されるような書面を参加者からとったとしても無効。
- 手荷物への注意を呼び掛ける、会場に暗がりや死角をつくらない、警備や巡回の人員を配置する、必要があれば警察にパトロールを依頼する、その他機材の点検や熱中症対策など、予見できる事件・事故を防ぐための努力をして参加者にアピールしておくことが重要。
▽根拠
民法
第四百十五条(債務不履行)
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
第七百九条(不法行為による損害賠償)故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
第七百十七条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
刑法
第二百十一条(業務上過失致死傷等)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
消費者契約法
第八条(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)
次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項
三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し、又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項